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GNグッドニュース NO1466 2020.1.10

GNグッドニュース NO1466 2020.1.10

【あなたも生かされている②】
その人、三浦光世さんは、綾子さんの挽歌に心打たれ、「神様わたしの命を堀田さん(綾子さん)に上げてよろしいですから、どうか治してあげてください」と祈るほど真実な人でした。
こうして綾子さんは、前川さん、光世さんの愛に支えられ、奇跡的に病が快復します。
13年の入院生活にピリオドを打ち、綾子さんと光世さんは結婚の日を迎えました。
結婚をして雑貨屋を営む普通の主婦となった綾子さんが小説を書き始めたのは、弟から朝日新聞の懸賞小説募集を知らされたことがきっかけです。
いったんは聞き流したものの、寝付けずにその夜一晩であらすじを作り上げてしまったのです。綾子さんは雑貨屋を夜の10時に閉め、光世さんが寝てから小説を書く生活を送り始めました。零下20度を下回る旭川の冬に、ストーブもないまま、ふとんにもぐり、凍える手を息であたためながら書き進めました。書き始めてから約1年。応募締め切り当日、ようやく原稿用紙で1000枚近い小説は完成しました。
その小説『氷点』はみごとに入選。朝日新聞に連載後、出版されると大ベストセラーとなりました。こうして生まれた作家、三浦綾子さんは77歳で(1999年)で亡くなるまで、パーキンソン病などさまざまな病気と闘いながら、素晴らしい作品を世に生み出したのです。
「わたしたちは、だれも『生きる』のではなく、『生かされている』と考えると、おのずと生き方も変わってくると思うんです」(三浦綾子著「永遠のことば」主婦の友社)
死のうと思っていたのに、生きるように説かれ、病と闘いながら、なんとか自分の命は長らえている。生かされているのなら、自分の人生にも意味や使命のようなものがあるはずだ。三浦綾子さんはそう考えてこられてきたのでしょう。
彼女は生きる苦しみ人一倍受けなければならなかったのですが、生かされている喜びもそれ以上に味わってきた人ではないでしょうか。彼女はその願いを実現していくことが、自分の使命だと考えるようになったのです。彼女の文学を読んで何らかの救いを感じる人は、彼女のそんな願いを心のどこかで受けとめているのだと思います。※参考文献、「道ありき-青春編」三浦綾子(著)

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