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GNグッドニュース NO1469 2020.1.30

GNグッドニュース NO1469 2020.1.30

【約束をすると実行する力が沸き上がる】
奇跡のような感動する実話。全米で200万部を超えるベストセラーとなった『THREE CUPS OB TEA』の主人公であるグレッグ・モーテンソンさんのお話をします。1992年、グレッグさんは34歳のとき、世界でいちばん登頂が困難といわれるK2に登りました。23歳で亡くなった妹の生前の望みだったのでしょう。妹の形見のネックレスを山頂に置いて帰るためです。しかし、山頂まであと20メートルのところで、彼は遭難してしまいました。命が危ないところをポーターに救われ、パキスタンの小さな村で手厚く世話を受けます。
村人たちとの温かな交流を深めていくうちに彼は衝撃を受けました。それは、この村には一つも学校がないということ。そのため子どもたちは、凍えるような地面に棒切れで字を書きながら自習していたのです。教室も教科書もない場所で、一週間に三度しか来ない先生を待って….。その様子を目にしたグレッグさんは、胸が張り裂けそうになりました。なんとかしなければならない、これはK2の山頂に登るより大切なことだ。そう思った彼は、村の長老に言います。「僕は学校を建てます。約束します。」と….。さあ、それから困難の連続でした。
グレッグさんは看護師だったので、学校のつくり方など知りません。学校をつくるためには、ともかく莫大な資金が必要です。しかし、彼にはお金がありません。アメリカに戻り、協力金を募るために、580通の手紙を出して助けを求めました。返事は100ドルの小切手が入った1通だけ。それでも、あきらめませんでした。まずは自分の持ち物を売り、朝から夜遅くまで働き、協力を求め続けました。そんな彼の熱意が伝わってか、応援してくれる人が、次第に現れてきます。が、その後、パキスタンに戻って学校づくりに奔走するため、これまでの職を失い、恋人を失い、家を失うことになりました。それでもやはり、彼は約束を果たすために、あきらめませんでした。こうして、約4年後の1996年、村に念願の学校が建ちました。いまでは、彼と仲間の手によって、パキスタンとアフガニスタンに60以上の学校ができています。これらの学校に、多くの子どもたちは2時間、3時間歩いて通います。それでも彼らは喜んでやってきます。学校で学べることは、恵まれていると彼らは知っているのです。いま、世界じゅうで、学校に行きたくても行けない5歳から15歳までの子どもが1億1000万人はいます。家が貧しく一日に何時間も働かなければならない。勉強したくても学校がない。一度も学校に行ったことのないまま、戦争に駆り出され、兵士となって死んでいく子も大勢いるのです。パキスタンでは、わずか1ペニー(約1円)で鉛筆が1本買えるそうです。その鉛筆で文字を習い、読むこと、書くことを習えば子どもたちは、外の世界とつながり、自分の世界を広げていけます。そして、学んだことをもとに希望をもって人生を歩んでいきことができます。これまでまったく勉強する機会のなかったある女の子は言っています。「私は教育にどんな意味があるか全くわかっていなかったんです。でも、今では思うんです。それは水のようなもので、人生のすべてにわたって、とても大切なものだと」
「私は医師になりたい。でもただの医師で終わりたくないんです。病院をつくるような医師になりたい。この地域すべての女性の健康の問題を解決したいんです。」グレッグさんがつくった学校は子どもたちに希望を与える場となっています。
たった一人の決意から世界は変わっていきます。誰かと約束しましょう。その約束を実行するために動き始めましょう。私たちにも素晴らしいことがきっとできるのです。
※「ここに学校をつくろう!」グレッグモーテンソン・オリバー・レリン(著)堀江実(訳)PHP研究所

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