2021年1月29日(金)発行
みなさまへ
「おかげさまで」
夏がくると冬がいいという、冬になると夏がいいという
太ると痩せたいという、痩せると太りたいという、
忙しいと閑になりたいという、閑になると忙しい方がいいという
自分に都合のいい人は善い人だと誉め、自分に都合が悪くなると悪い人だと貶す(けなす)
借りた傘も雨があがれば邪魔になる、金をもてば古びた女房が邪魔になる、世帯をもてば親さえも邪魔になる
衣食住は昔に比べりゃ天国だが、上を見て不平不満に明け暮れ、隣を見ては愚痴ばかり
どうして自分を見つめないのか、静かに考えてみるがいい
いったい自分とは何なのか
親のおかげ、先生のおかげ、世間様のおかげの塊(かたまり)が自分ではないのか
つまらぬ自我妄執(じがもうしゅう)をすてて、得手勝手を慎んだら世の中はきっと明るくなるだろう
おれがおれがを捨てて、おかげさまでおかげさまでと暮らしたい
ある社会活動家の言葉だそうだが、これを見てはっと思い当たることがあった
監督として長い間選手の育成にかかわってきたが、いまの選手にもっとも欠けているものは何か、
それは、「感謝の心」にほかならないと気づいたのだ
平成17(2005)にヤクルトの二軍グランドで練習をする機会があり、ロッカ-に立ち寄ったところ書かれた紙が貼ってあった
野村克也“野村ノ-ト”より
本日もよろしくお願いいたします。